プロジェクトニュース
2021年03月29日
【前編】対談企画「共通する思い─障害、福祉のイメージ、世の中を変える!」
現在出資者募集中(2021年3月31日募集終了)の放課後等デイサービス「HEARTY」活動応援プロジェクト。
発達障がいは目には見えない障がいであるがゆえに人に理解されにくいため、本人や家族が日々の生活の中で辛い思いをすることが少なくありません。このプロジェクトでは、子どもも家族も安心して過ごせる社会づくりを目指します。
障害の有無に限らず、そもそも障害や福祉って概念はもういらない。
「ひとりひとりがそれでいい」って思える世の中に。
今回は、ご自身のお子さんが発達障がいを抱えていることをきっかけに放課後等デイサービス「HEARTY」を立ち上げ、取り組みを進める北川美紀さんと、「HEARTY」の立ち上げにも関わられた、株式会社とっとリンク代表、放課後等デイサービス「みらい教室」を展開する“福祉業界のオシャレ番長“平林景さんのオンライン対談の様子をお届けします。
放課後等デイサービス「HEARTY」 運営
一般社団法人ジャパンインクルーシブアカデミー 代表理事 北川美紀さん
前職ではネイルサロンを約8年間経営。自身の子どもが発達障がいを抱えていることをきっかけに育児や障がい福祉に対する社会全体の認識が不十分であることを痛感し、2019年9月一般社団法人ジャパンインクルーシブアカデミーを設立。「HEARTYから社会を変える」という想いを胸に2020年6月にHEARTYを開所し、現在に至る。
◆放課後等デイサービス「HEARTY」
◆Instagram:北川美紀
放課後等デイサービスみらい教室 運営
株式会社とっとリンク 代表取締役社長 平林景さん
“福祉×オシャレ”をコンセプトに、福祉業界のイメージを変えるべく、発達障がいの子も長所を伸ばせるマンツーマンの放課後等デイサービス「みらい教室」を4教室展開している。
◆放課後等デイサービス みらい教室
◆Twitter:KEI HIRABAYASHI@福祉業界のオシャレ番長
運命的な出会い
──北川さんはどのようにして平林さんを知られたのでしょうか。
北川:娘の発達障がいの可能性がわかり、いろんな療育施設や医療機関を巡ったのですが、当時どこにも元気になれるような場所はありませんでした。娘はさておき、私自身、施設に色がないことや、薄暗かったり結構年数が経っているなど、「こういうところしかないのかな…。」と感じていました。
その中でSNSで意見を聞いてみようと思い、いろんな人のインスタを見る中で、放課後等デイサービスを探していたわけではないのですが、たまたま平林さんの記事が表示されて。
すごく色とりどりのカラフルな内装の建物が写っていて、『色の持つ華やかなパワーとともに』と福祉を謳っている方がいて、「何この人!」ってなったんです。
色の持つエネルギーは凄いものがあるんですよということや、福祉をおしゃれに華やかにというようなものを見て、「一緒のことを言っている人がいる。私はこういうところを探していたんだな。」と思いました。
当時京都にこういった施設はないし、運命を感じて全然面識もない時点で、「本当に考え方に共感しました。私もこんな施設が作りたくて、毎日泣いて暮らすくらいだったら前向きに娘のために生きていこうと思います。」といった熱いメッセージをいきなりお送りしたんです。
そしたら、まさか返ってくると思いませんでしたが、平林さんから「そういう方のご意見をぜひお聞きしたいので、ぜひ一度見にいらして下さい。」と快く受け入れてくださって。
平林:いやぁ、熱いメッセージでしたね。懐かしいですね。あの熱さを断ったら、僕は人じゃないでしょ。
北川:本当に毎日辛いんですっていうようなメッセージをお送りしたと思うんですけど、そこに答えてくださったあの瞬間からつながって今があると思ったらすごく深いですね。
居心地のいい居場所を
──実際に初めて会われたときのお互いの印象や、お話の内容はどのようなものでしたか。
北川:福祉の業界で私が初めて娘のことで足を踏み入れた時の暗さや、気分が沈む感じとかからはかけ離れた場所で教室運営をされていました。ご自身の服装もブランディングも、そして教室も見せ方も、すごく上手だなと思ったし、やっぱりそれを求めたお子さんが集っていることに「やっぱりな。」って感動したのを覚えています。
平林さんの第一印象は、「うわすごい、すごい人きた〜。」という感じでしたけど、教室の第一印象は「やっぱりな、こういうところが居心地いいよね。」と思える教室でしたね。
平林:僕の第一印象は、「めっさ熱い人やな。」でした。
話し込んでいくうちに自分が女性だったらこんな感じなのかなというイメージですね。
北川:ずっと喋ってましたよね。
初めまして〜みたいな遠慮も特になく、お互いにずっと喋っていて、「とにかくこの人に私のことを知ってもらわなければ。」と、私の状況を全てお話しました。
平林:そうですね、そのときに「私、放課後デイサービス作りまーす。」って言ってましたもんね。なかなか宣言して帰らはる人は初めてやなと思いながら。
北川:そうですね。宣言して帰りました。
言って自分を追い込むタイプなので、言っておかないと作らないなと思ったので。
平林:北川さん絶対やるなという確信は自分も持っていましたね。この人まじでやるなって思って。
人生の志やマインドの大切さ
──HEARTYの立ち上げまで、平林さんが北川さんへされたアドバイスはどのようなことでしたか。
ご自身がみらい教室を立ち上げられた当時の思いも聞かせていただきたいのですが。
平林:みらい教室を立ち上げた経緯は、元々自分の身近なところに発達障がいを抱えた人がいたことや、福祉が薄暗いなという、同じような感覚を抱いていた部分もあって。
当時、東京未来大学こどもみらい園に勤めていて、親の会などに参加していたときに、「これから先どんな放デイだったらいいと思う?」という質問を100人くらいにすると、9割以上の人が言っていたのは、「おしゃれで綺麗で華やかな場所に通わせたい。」でした。
北川さんは、一回「みらい教室の仕組みってこうなんですよ。」というと、すごく短い時間で理解されるので、そこが結構生かされているのかなと思います。
実際北川さんが立ち上げる際に、ある程度仕組み自体はわかられていたので、どちらかというと、経営のやり方よりマインドの大切さをお伝えしました。
北川:経営ノウハウももちろんですけど、心の持ち用とか考え方とか、どう動くかみたいなところを結構熱く教えていただいて、すごく勉強になりました。
平林:北川さんはマインドが強いので。大事ですよ、経営者たる者はそうでないと。
北川:自分自身の娘のこともあるので、やるしかないというね。逃げ道がないじゃないですか。
さぼれないし、逃げられない、目を背けられないので、毎度すごく教えていただけて、助かりました。
母としていろいろ凹むこともありますが、そういうのも方向転換していければいいかなと。
同じ思いのお母さんお父さんはたくさんいらっしゃるので、それをプラスに捉えて前に進む勇気にしていけたらと思えたのは、平林さん出会ってからですね。
平林:経営者として、芯だったり志であったり、何のためにそれをするのかだったり、人生の目的みたいなものがないと光らないので、そういった話をめっちゃしていた気がします。
力になった多くの声
──HEARTYの立ち上げまでで、支えになった出来事や大変だったことなどはありますか。
北川:平林さんを巻き込んでいろいろ大変だったんですが、京都は総量規制がかかったということが、まず第一段階ですごく大変でした。放課後デイをここに作りたいと思ったところで開所できないかもという危機に直面したのが毎日すごくしんどかったです。
結果的に日程的にもギリギリセーフで滑り込めたんですが、しんどい時にも、「オープンしたらぜひ見学に行きたい。」といった周りのお母さんたちのお声や、自分の娘もこういうところができるということをすごく楽しみにしてくれていたこともすごく力になりました。
平林さんも、周辺のみなさんもわたしの取り組みに対してすごく応援をしてくださって、動いてくださったりアドバイスをいただけたことは、とても力になったし励みになりました。
前に進めたのはみなさんのお陰だと思います。
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